品 川


jx絵と文 大和祐美子


鈴が森刑場跡での「鯉塚」


 十一月の半ばにもなれば少々肌寒い。
大きなポケットのあるコ−トを選び、煙草、ライタ−、パステル、コンテ、財布、画紙、練りゴムと思いついたものを詰め込み、カメラと眼鏡を首からぶら下げ、品川辺りまで行けば何とか成るでしょうと出発。
 根拠もなくこの辺り?と「青物横丁」駅へ降り立ち、左がきっと東と脇に逸れ歩きはじめると、第一京浜にでてしまった。   
戻ろうかと思いつつ歩く途中、見かけた標識に「日本橋から11km」とある。
 凄い砂ぼこりと轟音を巻き上げ暴走する トラックには辟易したが、裏付けが取れた
気がして「このところお湿りに縁がなかった為か」と歩く。 歩けど歩けど産業道路。

 「東海道は何処〜」違う道で戻るかと、踵を返した左手に「黄色の実」をつけた橙の
樹や卒塔婆、石塔が林立する一角が視野に ... 鈴ヶ森刑場跡地。

逆行しながら歩を進めると左手に船が二艘係留している。   橋を渡り左へ左へ ... 東大井一丁目25と表示された先は舟溜まりで「品川って海辺だったんだ!」と感じさせてくれる。 静かな波に身をゆだねている鴨達を眺めるのも中々のもので、暫く此処に座りスケッチと一服一時の休憩。

 此処から先は、見聞きした人物の碑の在る無しは別に、寺、神社が彼方此方の路地を
覗きこむごとに散在。大方の山門の脇に楓が植樹され、晩秋の落陽を背に紅葉が美しい。 その中の一つ品川寺の菩薩様は「東京都指定有形文化財」「江戸六地蔵」の一つと肩書きは凄いがお優しいと言うより愛らしいのだがそこをとらえられないままスケッチ。

品川寺の並びの畳屋さんは「お休み処」いいですねェ。街道松「品川宿の松」は松より花茎を立て黄色い花を咲かせている「つわぶき」好いですね。 「つわぶき」は海岸附近に自生するといわれてる .... 寺、神社や鈴ヶ森刑場跡地、
人家の庭、至る所にひっそり咲いている。
「品川辺り」の海を感じ、人目が無かったのでスケッチ。

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